そしていよいよ塾長がコースに出ます。
出るや否や2周目2秒台、三周目には1秒台に入れその後、前半は2秒台、ガソリンの減り始めた後半は1秒台でラップを重ねます。順位はみるみるまに上がりついには二位まで浮上!トップの#51は三人のライダー全員が0秒で走れる実力がありマシンも別格、さすがにトップ浮上は難しいかと思われましたがセカンドライダーのレース中のタイムが上がらず、一時は周回遅れになっていた#74ですが同一周回に持込み、ついにはその差を50秒前後にまで縮めます!
一方、#174は17周目に早めのピットイン、ライダーをワキチからジャックに替え再びコースイン。砂地獄で大きくタイムロスした#174はここから追い上げたいところですが逆にいえばもう大きなタイムロスは出来ないということにもなり、それがプレッシャーになったのかセカンドライダーのジャックは公式予選時のような切れのある走りはみられずベストは16秒後半、走行終盤には20秒を大きく下回ってしまうほどの疲労も見せ息も絶え絶えでの走行になりました。
「決勝では失速してしまい、精神面と技術面共に弱さを露呈してしまった自身には悔しい気持ちがあります。」後日語るジャック
基本的に45分でのピットイン作戦をとる#174はここでピットイン、ライダーを卍に替えてコースイン。給油部隊もこの頃には若干作業に慣れて余裕も見られ始めます。
さて鬼の追い上げの#74は、結局その差を40秒ほどに縮めたところでピットイン、3番手「もて耐本戦での総監督イトー」にライダーチェンジを行います。
「とにかく、気負うな。普通に走れ。気楽にいけ。」
考えられるだけのねぎらいの言葉をかける塾長。
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2位でバトンタッチ…これははたから見るには想像できないプレッシャー。いくらこの走行での順位ダウンはあらかじめ想定済みとはいってもそこはライダー、行きたいキモチ半面、もし転倒すれば全てがオジャンに。反芻するキモチの中、イトーの戦いが始まりました。
#174、卍は暑さの増す中快調に周回を重ね、しり上がりにタイムを上げるという理想的な走行を演じます。こういった状況はサインマンやピットクルーにとっても非常にエキサイティングでレースを楽しく感じさせる瞬間です。その卍、ラスト5周ではまさに「尻上がり」な走りを見せ、
14’7>13’5>12’6>11’9>11’3(ここで鳥肌)>PITIN
と最終周に大きくベストを更新!そのまま最高の気分でのやり逃げ的ピットインとなりワキチにライダーを替えピットアウトしました。順位も一時期より大きく上げ40位前後まで浮上してきました。
#174はワキチのみが二度目の走行となります。
コースインしたイトー、さすがにいつもの要領のよさ調子のよさは見られず慎重に神妙に走行を続け、ベストからは大きく下回る20秒台での堅い走り。もてぎの走行時間で言うとメンバーの中ではかなり少ないイトー、そんな状況でも練習走行ではすぐに14秒台までタイムを縮め相変わらずの適応能力の高さを見せ、本戦でのタイムアップも期待されましたがなにせ状況が状況。とにかく最後の塾長の走行でさらに順位アップを狙う#74。タイヤもすべるが絶対に転べないレースの中で我慢の走行が続きます。